黄茶19種類の審評茶会

昨日は隠伝・茶味研究所主催の黄茶19種類の審評茶会に、お手伝いも兼ねて参加してまいりました。

今年で11回目となる審評茶会は中国六都市に加え、日本では今年が初開催。会場は光林川、中国茶葉学会や現地の茶協会が協賛する審評茶会ということもあり、茶器や手順などを統一し、全都市同時刻に条件を揃えて品評するという厳格な内容です。

審評の手順は、先ず茶葉の状態や色を観察し、高温の湯を加えて1分待ち、温まった茶器の蓋やレンゲの香り、茶湯の色、茶味を確かめ、最後に冷めた状態の香りを確かめるというもの。前後半10種・9種の順に品評させて頂きました。

何せはじめての経験。しかも馴染みの薄い黄茶ということもあり戸惑います。審評には普段とは違う視点でお茶と向き合う必要があり、そこには客観的な根拠が伴います。私は生産工程の特性を手掛かりにしてみることにしました。
 
黄茶の一般的な製法は、揉捻(茶葉を捻工する)、殺青(熱を加え発酵を止める)という緑茶の生産工程に加えて、初烘焙(火入れ)、悶黄(麹菌での後発酵)、復烘焙、悶黄、乾燥で仕上げるもので、とても手間がかかるため、今や緑茶へと置き換わりつつあるのが現状で、すでに失われつつあるといっても過言ではありません。

お茶を蒸らす1分という時間は、私の感覚では緑茶とすれば少々長いもの。おそらくこれは揉捻や発酵の程度を見極めたり、甘みが重視されており、それぞれの茶葉の特徴を強く引き出す意図があるのかなと考えつつ、これまで頂いてきた黄茶で印象に残っているものを、記憶から引っぱり出して、入り口は香り立つ緑、口に含めば芳醇で柔らかい茶味を持つ、胃腸への感じの良いものを探しました。

今日いただいた莫干黄芽は蒙頂黄芽などと比較するとあまり火の味がするものがなく(それはこの茶の生産工程の特徴かもしれない)、良く揉捻されています。しかし、揉捻の程度とは裏腹に、発酵は多くが浅めで、緑(茶)を強く感じるものでした。茶農家の方には本当に申し訳ないのですが、それは悶黄の難しさを物語たるものなのか、このお茶の特徴として捉えるべきものなのか、正直なところ、経験の浅い私には判断しかねるものがありました。しかし、中には深く発酵し胃に落ちる茶味で、なおかつトウモロコシのような香ばしさを持つものが数種ありました。その中から茶葉の状態が良かったものを絞りこみ、さらに冷めた状態でも香りが印象的なものを選ぶことに。

しかし、終わってみると、結局のところ、自分の茶会で使ってみたいと思えた茶葉を選んでしまったかもしれません。審評の難しさを思い知りました。

私に限らないことだと思いますが、普段自分が選んだ茶葉でお茶をいれる場合、それぞれの茶葉に見つけた良さを引き出すように、方法を変えることが多いのではないでしょうか。ところが審評では条件を揃えているので、人の入り込む余地は排除されています。そして、一斉に茶味に向き合うので、それぞれの比較は避けられず、加点よりむしろ減点していく力が問われるものです。そこには、やはり多くの経験や知識、理想的なイメージを必要とします。この世界にそれだけを専門とするプロがいるという事実も、なるほどなと頷けるものがありました。今回はとっても良い勉強をさせて頂きました。琳さん感謝。

関連記事一覧