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茶会記|伊藤雅風’history’展 於tonoto

ギャラリーtonotoで開催中の茶器作家、伊藤雅風さんのhistory展にあたって、一昨日から二日間にわたり茶会の亭主をさせて頂きました。

今回の茶席は計5席。皆様と楽しんだ茶葉は、どれも茶旅とその後の交流がきっかけで、私の元にやってきた宝物でした。すべては因と縁。分かち合い循環していくことが、今回抱えていたテーマでした。

全茶譜


高定石 定美 2018年
高定石 定美起承転合
高定石 高祖 1989年
高定石 定美起承転合 + 高祖起承転合
雲南古樹生茶 40年老茶
雲南古樹の森 月光萎凋茶 2007年
自然生態 佛手 2018年
泡化(エスプーマ)自然生態 佛手
香椿林青餅2016年
武夷老茶 不知岩 1995年
仙人金萱
2016年金賞 阿里山茶


老年沈香伽羅 香木水


京見峠の山水

御菓子
御菓子丸 薯蕷まんじゅう


tonoto

茶器
雅風さんの急須・蓋碗・片口・茶入

古物
鎌倉時代 常滑壺
鎌倉時代 猿投小壺
白磁煎茶飲杯

夜席
古鉄 吊り下げ自由燭台
須恵器各種

茶会を裏で支えてくださった渡邊紗彌加さんは、染色・機織りをされていて、今回の個展では雅風さんの茶器に針で文様を施した「絞り出し(茶器)」と、雅風さんの泥で染めた絹でゆった布を展示されていました。これも因と縁がなした美しい形。日々の暮らしの中で、こういったものを普段使いするということは、日々を豊かに生きるということではないでしょうか。茶会でご用意いただいた御菓子丸の「薯蕷まんじゅう」・・・。これは未体験の全ての人に食べて欲しいものです。

写真提供
1枚目、2枚目、3枚目
渡邊さん(@sayaka_watanabe_inori)

11/23-12/01
伊藤雅風’history’
於 tonoto
平日10:00-16:00
土日祝10:00-18:00

追記:2019年12月1日

昨日はギャラリートノト 伊藤雅風”history”展で開かれた渡邊さんの茶会の茶坊主となり、楽しい1日となりました。渡邊さん、素敵な茶会をお疲れ様でした。

本日12月1日はトノトでの伊藤雅風”history”展は最終日です。個展初日と二日目には、伊藤雅風さんの茶器を使わせて頂き、入蘆花茶会の亭主をつとめさせて頂きましたが、茶会でお伝えしたことについて、お客様から早速お手紙や色々なメッセージを頂き、心が通うお茶会となったことを、私はとても嬉しく思っています。良きご縁に感謝です。

たしか、そもそものはじまりは、今夏、台湾の茶器作家林永勝さんを迎え、好日居をお借りし開催させて頂いた個展に、トノト武さんと渡邊さんが伴ってお越しくださり、その場で今回の茶会のオファー下さったことによります。

武さんとの交流のなか、トノトの個展は一貫して、武さんらしい切り口のキュレーションが組まれていることがわかり、ひとつひとつの個展に試行錯誤で取り組む武さんの姿がありました。私はそれらの取り組みや姿勢に、ある種の共感と尊敬の念を抱いています。私もいつか、領域的に近い活動をするかもしれない身。このような先を行く仲間が同じ京都にいてくれることは、とても幸運なことです。

本展の作家である伊藤雅風さんは、作品を通し伝わってくるものがかなりあって、検証的に積み上げていくような、粘り強い創作姿勢や工夫研鑽が背後に感じ取れました。それでいて柔軟な方で、お話を伺っていると、二年後のトノトでの個展も一層楽しみに感じています。

今回は私自身のお茶との関わりが整理できた良い機会となり、さらに今後の入蘆花における作家との関係についてアイデアを得る機会となりました。辛抱強さと怠惰は紙一重ですが、続けること自体がひとつの勝負と思えるようなことをやれたら良いなと思います。

武さん、雅風さん、渡邊さん、御菓子丸さん、それぞれのあり方から、多いに刺激を受けました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

さて、トノト 伊藤雅風”history”展は本日最終日です。ぜひおでかけください。

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