古窯の直腰型の水注です。継ぎ直しがない完器形を保った希少なコンディションです。
二重に立ち上がる口ぶちの造り、胴の整形や首と胴の指跡などは、古瀬戸の水注と非常によく似た造りです。また、持ち手も古瀬戸に見られる特徴が一貫してあります。水をかけると強い土器臭が立ち上がります。
しかし、古瀬戸とするには、首が長く、灰釉の出方も異なります。ともすると、中国のものでしょうか。類例を随分探しましたが、現時点で見つけられず不明なままの出品です。
長い時を経た素朴なる土の味わいと灰釉の豊かなニュアンスは、野の草花を呼びます。
竹の落としなどご用意の上、日々の花や、茶席でお楽しみください。