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19世紀を中心に、18〜19世紀頃の組立式のチークの木函です。表面は鉋で整えるのではなく、手斧で刳り出した「なぐり」の肌をそのまま残しています。刃の痕が重なって生まれる起伏は、均質な木目とは別の緊張感があり、光の角度によって静かに表情を変えます。
構造は実用本位で、側板同士は簡素なホゾで連結され、釘は使われていません。蓋と底には溝が切られており、側板がそこへはまり込むだけの仮組みに近い仕組みです。必要があれば分解して運べる合理性を備えています。装飾や刻字はなく、使うために作られ、使われてきたことがそのまま形になっています。
表面は黒味を帯び、摩耗した箇所から赤褐色の下地が覗きます。煤汚れというより、木地を保護し締めるための古い仕上げが残ったものと見られ、長い使用の中で擦れ、薄く薄く馴染んでいった印象です。産地を断定できる要素は残っていないものの、材と構法からはラオス周辺を含む内陸東南アジア圏の生活具としての気配が濃厚です。
収納具でありながら、空間の中で静かな存在感を放っています。横にしてギャラリーの花台や飾り台に、あるいは立てて一輪の背景としてもお使いいただけます。また板を分解し、それぞれを単独の板としてお見立ていただくのも良いでしょう。なぐりの黒肌は、器や古布、石、茶の道具とよく馴染みます。
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