邢州窯(けいしゅうよう)の白磁単耳碗は、唐代の白磁の中でも特に優れた造形を持つ作品の一つです。鉄分の少ない胎土を使用し、均質な白色の釉薬を施すことで透明感のある仕上がりを実現しています。この単耳碗も同様の技法が用いられ、高台部分には釉薬がかかっていないため、胎土の質感がそのまま残されています。端正なシルエットと穏やかな乳白色の釉薬が特徴で、静謐な美しさを放っています。
邢州窯は中国河北省邢州内邱県近郊にあり、唐代(7〜9世紀)に隆盛を迎えました。その白磁は、宋代の定窯白磁の発展に大きな影響を与えたと言われています。
この白磁単耳碗は、広がりのある口縁と安定感のある高台を持つ典型的な単耳碗です。丸い持ち手(単耳)が特徴的で、機能性と装飾性を兼ね備えています。
邢州窯の白磁は、わずかに黄色みを帯びた温かみのある色調を持ち、釉薬の質感はなめらかで優雅です。本品の釉調は、非常に良い状態を保ってあり、光を受けると柔らかく反射し、静かな陰影を生みます。