漢代 銀化緑釉器 盆栽鉢（206 BCE–220 CE）

漢時代の中国では、陶磁器の製造技術が高度に発展し、様々な種類の陶器が生産されました。その中でも、緑釉の陶器は特に重要な位置を占めています。これらの陶器は、一般に「緑釉陶器」と呼ばれ、その色は鉛を含む釉薬によって生成されます。この釉薬は、高温で焼成することにより、陶器の表面に鮮やかな緑色を与えます。

漢時代の緑釉陶器の中には、本品のように銀化したものが出土することがあります。銀化とは陶器の表面に銀色の斑点や光沢が見られる現象で、主に土壌環境の影響により発生します。具体的には、地中に埋まっている間に土壌中の酸性物質が釉薬に反応し、その結果として銀色の光沢が現れると考えられています。

本品は緑釉陶器の中でも極めて珍しい盆栽鉢です。古代中国では、盆栽や庭園芸術がはじまり、特に漢代からこれらの芸術が発展し始めました。状態も良く、銀化も深く、よい景色を呈しています。