美濃刻印須恵器です。岐阜県岐阜市(当時の美濃国)には、国の史跡として指定されている古代の窯跡群があります。この窯跡群は、須恵器が作られた最大の産地です。窯跡群からは、3つの窯跡が見つかっており、そのうちの1つである老洞1号窯からは、「美濃」または「美濃國」という文字が刻印された須恵器が多数出土しました。これらの刻印須恵器は、飛鳥時代の藤原宮からも出土した須恵器とよく似ており、これらの須恵器は奈良時代初期に作られたものと推測されています。
本品は、大鉢形の須恵器で、側面に「美濃」の刻印が入っています。状態も完器形を保ってあり、博物館級です。