



















宋代 湖田窯青白磁小盤(960–1279CE)
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本品は、宋代に江西省景徳鎮郊外の湖田窯で焼成された青白磁の小盤です。直径12.5cmほどの小振りな器形で、口縁はわずかに外反し、器壁は浅く緩やかに立ち上がっています。釉色はごく淡い青みを帯び、落ち着いた乳白調に近く、自然に生じたかせが、静かな陰影と枯れた趣を与えています。胴から高台にかけての造形は簡潔で安定しており、入蘆花では茶船や急須台としての用法も提案しています。本来は日常の食器として使用された可能性が高い一方で、供物器としての出土例も多く確認されています。
湖田窯は、北宋中期以降に隆盛を極めた民窯であり、景徳鎮本窯と異なり、主に実用器の量産を担っていました。とはいえその技術水準は高く、特に青白磁の焼成においては、還元焼成によって釉の下に淡い青みを引き出す独自の表現を確立していました。こうした器は「影青(いんちん)」とも称され、釉の中にほのかに沈むような色調が特徴です。胎土には微細な磁器石を用い、胎と釉のバランスを精緻に保つことで、柔らかで澄んだ色調と滑らかな器肌が実現されています。
本作には、伏せ焼きの支え跡が高台内に残されており、口縁の一部に釉薬の掛からない部分が見られます。いずれも当時の量産陶に共通する焼成痕であり、製作工程上の合理性と技術的蓄積を物語っています。また、釉面には長年の使用と保管による自然な変化が生じており、青白磁特有の柔らかな包漿がうっすらと器肌に現れています。
北宋期において青白磁は、宮廷の正式な御用品とは異なる民間の実用器として、広く人々の暮らしに浸透していました。とりわけ湖田窯製の器物は、南方都市を中心に大量に流通し、一部は海上交易によって東南アジアから中東地域にまで渡っています。
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