




























江戸時代 金彩十字文キリシタン仏像 木箱付(1603–1867CE)
税込み価格 | 本州は送料一律1,000円(大型商品除く)
本品は、江戸時代中期頃に制作された木彫の小像で、仏教の観音像を装いながら、胴部に金彩で十字文を密かに配した、いわゆるキリシタン仏像の一例です。やや面長な顔立ちに穏やかな表情を湛え、袖や台座の意匠も在来の仏像様式に倣って整えられていますが、その袖元に、僅かに異質な光を帯びた十字が浮かびます。底部や背面に小さく十字を刻んだ作例は一定数知られているものの、このように金彩文様として正面にあしらわれたものは比較的類例が少なく、あくまでも仏教的意匠の一部に見せかけながら、信仰の核心を留めようとした工夫が感じられます。
像高は十五センチほど。掌に収まる小像ながら、その姿には不思議な張りと緊張感があり、あらゆる装飾を控えた木地の質感と相まって、祈りの時間をともにした品だけが持つ空気を帯びています。造形には、専門の仏師の手によるほどの精緻さは見られないものの、それだけに、信仰に生きた人々の切実さが造形のそばだちとして表れているようです。こうした潜伏キリシタンの遺物の造形には、特に江戸期以降、明確に隠すことを前提とした造形緊張感があります。そこがまた魅力といえるかもしれません。
付属の木箱は、丁寧に仕立てられており、木地に布があしらわれています。日々の暮らしの中で決まった時間にこの像を取り出し、小さな灯りのもとでそっと手を合わせていたのでしょうか。人目に触れぬように祈りの習慣を守るには、像の造形だけでなく、それを収める箱のありようもまた、信仰の一部だったと捉えることができるかもしれません。
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